先日、娘の歯科検診があり歯科医にお話しを聞く機会がありました。どうして虫歯ができるのか?虫歯を予防するには?など日常生活で非常に役立つ情報で、子供に限らず大人にも言える内容でした。
虫歯になる仕組みを理解し、普段からしっかりと虫歯予防につとめていきたいものですね(虫歯治療費用もばかになりませんからね…)。
今回聞いた内容を少しまとめましたので少しでも参考になれば幸いです。
どうして虫歯ができるのか?
「甘いものを食べものばっかり食べてると虫歯になるよ!」なんてよく小さいころお母さんに言われましたよね。これはその通りなんです。
だからって甘いものを食べてはいけない、というわけではありません。しっかりと虫歯になりにくい口内環境作・食生活にしてあげれば、甘いものを食べても虫歯にはなりにくいのです。
虫歯にメカニズム - 虫歯菌が出す酸性に注意!
どうして虫歯になるのか?それは以下のようなことが口の中で起こっているからなのです。
出展:メカニズムを知れば、むし歯はこわくない。【赤ちゃん・子供の歯磨き情報 118kids】ベネッセ子育てインフォ
おやつやご飯を食べると口の中には甘い食べカスがのこりますね。すると…、口の中にいる虫歯菌は、食べ物の糖分を取り込んで歯垢を作ります。歯の表面を舌で触るとざらざらしてることがありますよね?これが歯垢 = 細菌のかたまりなんです。
この歯垢(細菌のかたまり)が酸を作り出し歯を溶かしていきます。この歯が溶けた状態が続くと虫歯になってしまうのです。
この酸性となり歯が溶けだすことを脱灰(だっかい)といいます(う~ん、聞いたことないな…)。
このことから、細菌のかたまり=歯垢を除去する、口の中を酸性する時間をなるべく短くする、ということが大切だということが分かります。
口の中の環境を整えるため唾液が頑張っている!
上述のように、ごはんや・おやつを食べた後は口の中が酸性(虫歯ができやすい環境)になります(もともとは中性)。
しかし、ここは唾液が黙っていません!唾液の作用によりこの口の中の酸性を中性に戻してくれます。酸性で溶けだした歯を唾液の力により中和し修復してくれているのです(唾液中のカルシウムが歯の溶けだした部分に再沈着して修復され、元の歯に戻るという仕組み)。
これを歯の再石灰化といいます(なんかCMとかで聞いたことありますよね!)
ちなみに睡眠中は唾液の量がすくないので再石灰化が十分に行われません。寝る前の食事が虫歯の原因と言われるのもこのためですね(わたしは寝る前によく食べるので気を付けよう…。)
脱灰と再石灰化のバランスが超重要!
このあたりから結構重要です。虫歯になりにくい口内環境を作り出すために覚えておきましょう。
上で出てきた、脱灰と再石灰化。虫歯になりにくい口内環境を作るにはこの「脱灰」が起きている時間と「再石灰化」が起きている時間のバランスが重要となります。
下の絵が、食事やおやつ(間食)を取る回数と脱灰・再石灰化の関係になります。
規則正しい上段の場合は、食事による脱灰と食後の再石灰化のバランスが非常によくとれています。脱灰によって歯が溶けだし虫歯になりやすい状態になりますが(赤いゾーン)、その後再石灰化により再び虫歯になりにくい状態に戻っています(青いゾーン)。
出展:歯周病・虫歯治療(歯周病の検査、歯周病原細菌検査PCR法、脱灰・再石灰化について、Er:YAGレーザーなど) | 上星川の歯科医院 オーラルプラン歯科クリニック
ここからわかることは食事・おやつ(間食)が多い程再石灰化の時間が短くなる、ということです。
では下段の不規則な食事の場合はどうでしょう?
まず朝に朝食をとると脱灰が始まります(赤いゾーン)。食事が終わると唾液の力により徐々に再石灰化が行われます(青いゾーン)。その後の間食により再び脱灰が始まります。なんかこの時点で直感的にも再石灰化の時間が十分とれていないことがわかりますよね。
すると…、昼食時はどうでしょう??昼食の直前にとった間食の再石灰化が十分行われずに再び脱灰がおこっていますね(▼赤○部分)。せっかく食事・おやつ後に唾液の作用で再石灰化が起こっているのにも関わらず、十分な時間経過することなく再び食事をしたことで、再び虫歯になりやすい脱灰ゾーンへ突入しています。
極端に言うと、「虫歯になりやすい状態がずっと続いている」という状況です。
どうでしょう?虫歯にならないためには甘いものを食べすぎないということも必要ですが、食事の回数や・時間がより大切になってくるのです!
食事・間食は最低1時間半はあけろ
先ほどの絵にあったように、食事や間食の回数が多いと十分な再石灰化が行われず、常に虫歯になりやすい状況におちいってしまいます。
そうならないためにも食事・間食の間隔は最低でも1時間半は開けるようにしましょう。そうすると脱灰・再石灰化のバランスが取れます。
ダラダラ時間をかけて食べるのも気を付けよう…
子供だと多いでしょうか?1時間以上かかって食べる子も中にはいます。
食事中は脱灰が進み虫歯になりやすい環境となります。脱灰の起きている時間が長時間続くとやはりあまり良くはありません。時間を決めてメリハリをつけて食事をすることも虫歯を作らないために大切になります。
とは言っても食事は楽しい時間…。大人でも夕ご飯等長時間かけて食べることもありますよね。でもちょっと気にしてみてください。
仕事中アメ・ガムやフリスク等たべ続けていませんか?
これもNGです!非常に虫歯になりやすい環境を作りだしています。
仕事中などどうしても口さみしくなりアメやガムなどをひたすら食べ続けていたりしませんか?また、営業等でお客さんと節することが多い方、会議などで人前で話すことが多い人など、口臭対策でミンティアのようなものを食べ続けていませんか??
前述のとおり、このようなケースでは脱灰が進み虫歯ができやすい環境になっていますよ。食べ続けることで再石灰化が進まずより虫歯ができやすい環境になってしまいます。
特にアメ・ガム・タブレットなどは糖分たくさん含んていますので虫歯まっしぐら。お気を付けください。
2か月あれば虫歯になる
食生活がダメダメですと2か月で虫歯になってしまうようです。虫歯を治したから大丈夫だ!そんなの関係ないです。食事回数・時間のバランスが悪いと2か月で虫歯になってしまうようです。
「虫歯治したばかりなのにまた虫歯になったよ…。歯磨きとかちゃんとしているのになんでだろう…??」なんて人は食生活振り返ってみてください。意外に盲点となっている仕事中のアメ・ガム・フリスク大丈夫ですか?
自分でできる虫歯予防!
食事回数と時間のバランス
まずはなんといってもこれでしょう。これまで説明したように脱灰と再石灰化のバランスが非常に重要です。子供の場合どうしてもおやつ等間食が増えてしまいがちです。
好きな時に食べさせるのではなく時間を気にしておやつを上げる時間を工夫してみてください。最低1時間半は間隔をあけるようにしましょうね。
歯磨き
あえて言う必要もありませんが歯磨きも大切ですよ。子供の場合はパパ・ママによる仕上げ磨きも重要になってきますね(我が家でも毎日しっかりやっています)。
最初の方にも書きましたが、口の中には細菌がいてこの細菌が糖分から酸をつくり歯をとかしていきます。がんばって細菌撲滅です!
フッ化物洗口・フッ化物入り歯磨き粉の活用
フッ化物には以下の働きがあり、虫歯予防に効果的と言われています。
- 歯の再石灰化の促進(溶けだしたカルシウムを再び歯に戻す)
- 酸に強い歯を作る(酸は虫歯の敵!)
- 細菌が作る酸の量を減らす
フッ化物入りの歯磨き粉を活用
まずは一番簡単な普段の歯磨きに取り入れる方法です。▼このようなフッ化物入りの歯磨き粉が売られていますのでだれでも簡単に取り組めます。もちろん子供用のフッ化物入り歯磨き粉も色々と販売されています。
フッ化物洗口
先ほどのは歯磨き粉でしたが、今度は「ブクブクうがい」による虫歯予防です。洗口薬剤(フッ化ナトリウム製剤)を水に溶かした液で30秒~1分間ブクブクうがいをする方法。
年代問わず効果はあるようですが、特に小さい子供への効果が抜群。効果としては、集団生活が始まる4歳頃から14歳頃まで継続して行うと30%~60%の虫歯の減少効果が得られ成人になってもその予防効果が継続される。
実際に、新潟県の小学校ではフッ化物洗口を行っている子供とそうでない子供の虫歯本数を比較したところ、洗口している子供の虫歯本数がしていない子供の虫歯本数の半分以下という結果が得られたそうです。
また洗口を開始した年齢によっても将来虫歯になる本数に影響がでるようです。将来の虫歯リスクを考えると、洗口開始はなるべく早く・4歳頃から始めるのがベストのようです(4歳開始、5歳開始を比較しても違いがありこの1年でも効果に差がでます)。
▼少し年代は古いですが、参考までに新潟県のホームページより引用。
最近ではこのフッ化物洗口、保育園・幼稚園・小学校などでも取り入れているところが多いようです。家庭でもできるものなので気になる方は一度歯医者さんに相談してみるとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回娘の歯科検診のおかげで自分の食生活を見直すいい機会になりました(とても勉強になりました)。
普段の歯磨きはもちろん、食事の回数・時間のバランスなど振り返り虫歯予防につとめていきましょう。